「虹の橋」

みかん姉さん

2010年02月17日 00:09

天国の一歩手前に、「虹の橋」と呼ばれる場所がある。

地上にいる誰かと親しくしていた動物は、死ぬとその「虹の橋」へ行く。

そこには、草地や丘が広がっていて、

動物たちは一緒になって走ったり遊んだりすることができる。

たっぷりの食べ物と水、そして日の光に恵まれ、

彼らは暖かく、快適に過ごしている。

病気にかかっていたり年をとったりしていた動物たちは、

ここに来て健康と活力を取り戻し、

傷ついたり不具になったりした動物たちも、

もとどおりの丈夫な体を取り戻す。

過ぎ去りし日の夢の中でのように。


動物たちは幸せに暮らしているけれど、ひとつだけ不満がある。

それぞれにとって特別な誰かが、

あとに残してきた誰かがいないのを

寂しく感じているのだ。


動物たちは一緒に遊んで時を過ごしている。

しかし、ついにある日、そのうちの一匹が足を止めて遠くに目を向ける。

目はきらきらと輝き、体はたまりかねたように小刻みに震えはじめる。

突然、彼はみんなから離れて、緑の草地を跳ぶように走って行く。

あなたを見つけたのだ。

とうとう出会えたあなたたちは、抱き合って再会を喜びあう。

もはや二度と別れることはない。

喜びのキスがあなたの顔に降りそそぎ、

あなたの両手は愛する友の顔と体をふたたび愛撫する。

そして、あなたは信頼にあふれたその瞳をもう一度のぞきこむ

あなたの人生から長いあいだ姿を消していたが、

心からは一日たりとも消えたことがないその瞳を。


それから、あなたたちは一緒に「虹の橋」を渡るのだ。